一般社団法人全日本こどもの歌教育協会 編集部
取材・文:浅見聖怜奈

リトルシンガー | コラム&インタビュー
森田 みなも

「舞台が大好き」そんな想いから、日々の並々ならぬ努力によって今や多くの舞台にご出演されている森田みなもさん。今回は、そんなみなもさんへ、舞台に立ちたいと思ったきっかけやオーディションについて、また日々の練習についてなど、たくさんお話しいただきました。

森田 みなも(もりた みなも)

2012年3月27日、東京生まれ。
PASOC所属。3歳からバレエ、4歳から演技・歌唱・ジャズダンスを学ぶ。
2019年より、ミュージカルなどの舞台芸術の世界に憧れ演劇活動に集中。
以降毎年、大型舞台出演を重ねる。

【出演作品】
2020年 『有頂天作家』おたみ役/大阪松竹座・新橋演舞場(コロナにより公演延期)
2021年 ミュージカル『オリバー!』/救貧院の子ども(ヴィクトリア)役/東急シアターオーブ
2022年 『有頂天作家』おたみ役/京都南座・新橋演舞場
2022年 ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」子ども達役/日生劇場・大阪オリックス劇場・愛知刈谷市総合文化センターアイリス
2023年 ミュージカル『星の王子さま』 王子さま役/東京シアターアルファ(出演予定)

みなもさんが歌やお芝居を始めたきっかけ、舞台に立ちたいと思ったきっかけを教えていただけますか。

はい。私は小さい頃から人前で何かを披露することが好きで、3歳の頃にバレエを習い始めたのですが、バレエをとても楽しんでいる姿を見た母が、バレエやミュージカルなどのいろいろな舞台鑑賞に連れて行ってくれました。そして『美女と野獣』や『アニー』などのミュージカル作品を観劇したときに、私もこんなミュージカルの舞台に立ちたいと思ったのがきっかけです。そして、4歳の時に歌とお芝居のレッスンに通い始めました。

舞台でお芝居をしたり歌を歌ったりする時や、練習の過程でどんなときに楽しいと感じますか?

普段のレッスンで課題が渡されるのですが、始めはうまくできなくて、でも毎日練習して段々とできるようになった時に楽しいと感じます。あとは舞台に出演したり、そのお稽古で今活躍されている一流の俳優さんの歌や演技を間近で見たりすることがとても楽しいです。

これまで間近で見てきた役者さんで、みなもさんの憧れの方はいらっしゃいますか?

ミュージカル『オリバー!』で共演させていただいた、ソニンさんです。ソニンさんのすごく綺麗な歌声が大好きです。

ソニンさん、歌やお芝居が素晴らしいのはもちろんだと思うのですが、それ以外の部分でみなもさんが素晴らしいなと思う部分、惹かれる部分はありますか?

はい。稽古の時に、自分の出番が終わっても裏でずっと練習している姿を見て尊敬するようになりました。

出演しているみなもさんだからこそ見ることのできた貴重なお姿ですね。舞台に立つためには、まずオーディションを突破する必要があると思うのですが、オー ディションに向けてみなもさん自身が心がけていることはありますか?

オーディションの前だからと頑張って準備するのではなく、毎日少しずつコツコツと練習して実力を上げておくことが大切だと思っています。それに加えて課題曲などは特によく練習しています。そして、ただ上手に歌ったり演技したりするのではなく、その作品のことや自分の受ける役のことなどを調べたり考えたりするようにしています。

オーディションでは、時に悔しい結果を受け止めなければいけない時もあるかと思いますが、そんな時、みなもさんはどのように乗り越えていますか?

落ちてしまったその日はとても落ち込みます(笑)。でも、寝て次の日になったら、どうして落ちてしまったのか、どこがダメだったのかを考えます。そして次のオーディションではそのダメだったところを直して行くようにします。

素晴らしい心がけですね。そんなたくさんのオーディションや舞台を経験しているみなもさんですが、オーディションや舞台に立つ時はやはり緊張しますか?

はい。とても緊張します。

そんな緊張とどのように向き合っているのですか?

先生に教えてもらったのですが、舞台に出る前に、一旦目を閉じて、深呼吸をします。そうすると気持ちが和らいで、役に入り込めるようになります。普段の自分だと緊張してしまうので、もう一人の自分を作って舞台に立っています。

そんなみなもさんの、毎日の練習方法について聞かせてください。

まず、最初にルーティーンの発声練習を何個かやります。その次に高音のキーや、お腹を使うような曲、滑舌の練習になるような曲を選んで歌い、その後にその時の課題曲を練習します。トータルで短い時は30分くらい、長い時で1時間〜1時間半くらい練習します。

みなもさんの考える歌の魅力は何ですか?

歌っている人自身と聴いてくれる人の心を動かす力があるところだと思います。

みなもさんにとって思い出の曲や大切な曲を教えてください。

思い出の曲は、ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコー ト』の“エニー・ドリーム・ウィル・ドゥ”という曲です。初めてオーディションに合格し、初舞台として決まっていた作品がコロナ禍で公演延期となってしまい悲しかった時、出会った曲です。いつもレッスンを一緒に頑張っている友達たちと、リモートでこの曲を歌って、すごく元気が出ました。また、今もオーディションに落ちたり、挫折を感じたり、そういう時に歌うと、諦めずに頑張ろうという気持ちになる大切な曲です。

一番好きな曲は、“私の生きてこなかった人生”、“パートオブユアワールド”、“命をあげよう”です。

『天使にラブ・ソングを〜シスターアクト〜』の”私の生きてこなかった人生”は、盛り上がる綺麗なメロディーと、「自分の殻を破って新しい自分になろう」という内容の歌詞がすごく好きです。お風呂場や、鼻歌など、気がつくと歌っています(笑)。

“パートオブユアワールド”は、小さい頃に『リトル・マーメイド』のアニメを見た時から大好きで、感情が込めやすくて、大好きな歌です。何か一曲歌って!とリクエストをもらったら、これをよく歌いますし、みんな知っている曲なので喜んでもらえます。

『ミス・サイゴン』の“命をあげよう”は、最初にYouTubeで本田美奈子さんが歌ってるのを聴いて好きになって、先日舞台を見に行って聴いたらその迫力に驚き、さらに好きになりました。いつか私も『ミス・サイゴン』の舞台に立って、この曲を歌いたいです。

みなもさんのような子役を目指すお友達に向けて何かメッセージをお願いします。

ただ毎日レッスンに通ってもダメで、毎回のレッスンでレベルが上がるように、前のレッスンで注意されたところは次のレッスンまでには直して、どうしても上手くいかないところは先生にアドバイスをもらうようにするといいと思います。舞台が大好き、舞台に立ちたいという思いを持って、辛くても頑張り続けることが大切だと思います。

毎日学校にレッスンに忙しいと思うのですが、体調管理の方法や、何か意識していることはありますか?

私は、いつも季節の変わり目で風邪を引いてしまうんですけど、そもそも風邪を引かない対策として、日常的に汗をかいて運動することと、ニュースの天気予報で気温をチェックし、20度より下がる時は厚着したり、温度が高くても、前日との気温の差が激しいようなときは上着を持ったりするようにしています。万が一風邪を引いてしまった場合はすぐに病院に行きます(笑)。
あと、台湾のニンジョムという飴が、喉の調子が悪い時に舐めるとすぐ治るので、どのバックにも必ず入れて持ち歩いています。

みなもさんの今後の目標を聞かせてください。

直近の目標としては、次に出演するミュージカルの舞台を成功させることです。そして将来は、たくさんの人に愛される本物のミュージカル女優になりたいです。

お問い合わせはこちら